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トニー滝谷の名前は、本当にトニー滝谷でした。   

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 Rさんや、けみちょさんも見に行ってる「トニー滝谷」みてきました。

 トニー滝谷の名前は、本当にトニー滝谷でした・・・・という一文から始まる村上春樹の短編「トニー滝谷」を
映画化したのがこの作品。絵画的な映画とでもいえばいいのかな?何かが起こるという映画ではなく、
小説を朗読してるような感じ。っていうかほとんどが朗読、そこに演技が加わってる、ほんとそんな感じ。
 悲しいピアノの調べに、同じ舞台でアングルが移り変わることによって時間の流れを表現したり、
出演者の数を1人2役にして極力減らしてたり少し淡い色調だったりするのがとても美しく、孤独で、
そしてもの悲しい。

村上春樹の小説の世界を全く壊すことなく、忠実に表現した、素晴らしい映画だと思う。最後のシーンは
小説にはないオリジナルなところだが、小説の世界を壊すことのない、納得のいく終わり方だったと思う。



出演者もとても素晴らしく。イッセー尾方のトニー滝谷はまさにぴったり。この映画はほとんどが彼の
一人芝居で成り立っているといってもよく、彼の一人芝居が孤独をとてもリアルに表現してる感じがした。
大学生の頃のトニーも彼が演じてたが違和感があまりなかったのも不思議だ。

そして宮沢りえ、彼女っていくつなのだろうか?この映画の彼女はとても幼く見える。声の演技も
すばらしく、若い設定なので、少し普段より高い声をだしていた。1人2役で、化粧とかも特に変えて
いるわけではないのに、全く性格の異なる別の人だっていうのがはっきりわかる演技力はすごいと思った。
なにより美しかった。宮沢りえに恋しちゃうくらい。ほんとに美しいって思った。

気になったのは西島秀俊のナレーション。確かに映画の雰囲気には合うナレーションではあると思うけど、
ぼそぼそしゃべりすぎで、かなり聞き取りずらい。映画が始まってずいぶんのあいだ彼のナレーションと
映像のみで進んでいくのだが、その朗読がほんと聞き取れない。そこだけがちょっと気になった。

あとは、完全に村上春樹の世界だったと思う。原作を読んでから映画を見た場合たいてい、
映画より小説を読んで自分の頭で構築されてる映像のほうが素晴らしいって思うんだけど、
この映画に関しては原作通りというか原作以上の映像が見れるのは珍しい。

波が少ない映画だが、こういう静かな映画をたまにみるのもいいかもしれない。
映画というより絵画を見に行くようなそんな感覚で、この映画は見にいってもらいたい。
やっぱり一人で見に行くのが雰囲気を味わえていいと思う。

※トニー滝谷は文春文庫「レキシントンの幽霊」に収録されてます。

トニー滝谷 ・・・ ★★★★☆

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by Kurt. | 2005-02-17 00:59 | Cinema | Top |

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