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ケッヘル 今年読んだ中で最高の小説   

a0023548_8534651.jpga0023548_854423.jpg今年読んだ小説の中で圧倒的におもしろかったのがこれ『ケッヘル』作者は中山可穂。彼女は女性同士の恋愛(ビアン)を描いた作品が多いみたいで、今回も要所要所にそういう場面があるのだけど、それ以上にスリリングな展開と、人物描写のうまさで読んでるうちにどんどん世界に引き込まれていく。

この物語は時間軸が2つあって、それが並行して進んでいく。ひとつはあることがきっかけで居場所を失った伽耶(かや)。彼女が逃避行のすえ、たどり着いた街で、ある男性と出会い。そして彼の会社、アマデウス旅行社で働いていく時間軸。そこでは次々と不可解な死が起きていく。もうひとつの時間軸は、伽耶がであった男性(遠松鍵人)の生い立ち。生まれてから学生時代に至るまでの波乱に満ちた人生が描かれていく。そしてその学生時代に起きたある事件が現代の不可解な死とつながって、ラストをむかえる。

この遠松鍵人という人の人柄と生い立ちがとても魅力的で、現実的にはありえないと思うのだけど、そこは小説の世界。天才とはこういうしてうまれるのか、と思うようなほんと波乱に満ちた人生が、読んでいくうちにうらやましく思えてくる。またある事件では心をかきむしられるような思いを読者は体感することになる。その事件はかなり衝撃的で、読んでて苦しかった。ただその事件がこの物語をスピードアップさせていったのは間違いない、後半の怒涛の展開は先が読めないし、ほんと時間を忘れて先を読みたくなってしまう。それほど魅力のあるストーリーだった。

ちなみにこの小説、モーツァルトとケッヘルが重要なキーワードになってる。ケッヘルというのはモーツァルトの曲を作った順に並べケッヘル番号というのを作った人。どうやらモーツァルト好きの人(モーツァルティアン)が、この番号で曲を覚えてるみたいで、CDのアルバムにもこの番号は記されていた。どう関連しているのかは読んでのお楽しみだけど、とにかくこの小説を読んだあとは、モーツァルトを聞きたくてしかたない。なので、数日中にモーツァルト100とかいうCDを買ってしまいそうな気がする。
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by Kurt. | 2006-07-16 09:19 | Books | Top |

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