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雑文 矯正物語   

僕は狂っているのかもしれない。そうじゃなければこの世界が狂っているはずだ。狂ったものは元に戻さなければいけない。すすんだ時計を元に戻すように。これから語るのは矯正の物語だ。世界は歪んでしまった。それを直すのが僕ら矯正士の仕事だ。

極端に減少した出生率と団塊の世代と呼ばれた人たちがいなくなったことで、一時期この国には急激な人口減少が起きた。高齢化社会が問題になったときからそのような懸念はあったはずなのに、無能な政府はその問題に関して何も手を打ってこなかった。労働人口が徐々に減り、最盛期の半数まで人口が減少したところで、政府はやっと動いた。とはいっても足りなくなった労働力を外の国からもとめるという場当り的なものでしかなかったけれど。通称移民法と呼ばれているもので、給料のいいこの国には、すぐにたくさんの人たちが移民してきた。大半がアジア圏から来た人々でその半数は日本語を話すこともできなかったが、言葉が話せないものでも、肉体労働などの職にありつくことはできた。企業もやすい賃金で雇える移民は大歓迎で、彼らをを積極的に採用していくことで、経済は安定していくかにみえた。





しかし、問題はそう簡単に解決しない。移民は労働力が安定してからも、次々とおしよせた。労働の需要がなくなっていくにもかかわらず、移民は次から次へと国に流れ込んできた。政府があわてて移民法を失効したときには、総人口は1億5千万人をこえ、その半数が外国からの移民となっていた。さらにたくさんの移民が入ってきたことにより、たくさんの出会いが人々の間でうまれ、その結果、国は空前のベビーブームをむかえることになった。国の統計によれば数年のうちに総人口は2億人をこえることが確実だといわれている。

急激な人口の増加により、たくさんの弊害がおきるようになっていた。一番深刻なのが大勢の失業移民が発生したことだ。さらに移民の賃金は不当に安くおさえられていたので、物価の高いこの国では貧困に苦しむものも少なくなかった。それとは逆に企業は安い賃金で得た、労働力のおかげで業績を伸ばし、大幅な黒字となる企業が増え、蓄積された富は一部の金持ちにのみ還元され、政府の発表によると、この国は空前の好景気をむかえているということになっていた。しかしその恩恵を受けているのは、企業の幹部や役人など、ごく一部の者だけで、労働移民のほとんどは貧困にあえいでいて、日々の生活もままならない状態にあった。

階級格差は日をみるより明らかになっていたし、金持ち階級のほとんどは、労働移民を人としてみておらず、さげすみ、激しい人種差別思想のもとで、彼らを迫害していった。政府はそのような事実をみても、すべて黙殺して、いっさい下のものには目もくれず、裕福な一部の人間に有利な法律を次から次へとつくっていった。その背景にはたくさんの金が動いており、政治家達は、それを利用して私腹をこやしていった。企業の発言力はどんどん増していき、その被害をこうむるのはいつも労働移民となっていた。

そして不満をため込んでいた労働移民の怒りが爆発してある事件が起きた。通称タコ内閣暗殺事件だ。顔がタコに似ているのと、とにかく無能な男であったため、民衆からタコと言うあだ名で呼ばれていた、細野総理は無能と言う言葉を辞書で引けばでてくるに違いないと言われるほど、とにかく無能な男で、なぜ彼が総理になれたのか?という疑問は世界の7つの謎の1つと考えるものも少なくない。彼の政策はすべてその場しのぎでしかなく、後先考えずに次から次へと政策を実行していき、実行した政策はほとんどの場合、状況をより悪くしていった。中でも国の財政をたてなおすという名目で導入された消費税の大幅値上げは民衆、とくに労働移民に大打撃を与えるとともに激しい怒りをかった。そして事件は起きた。

事件は無能なタコ総理こと細野総理誘拐からはじまる。首相官邸をいつものようにでた細野総理を乗せた公用車が国会議事堂へ迎う途中に突然消息をたったのだ。公用車にはGPSなどもついていたのだが、手がかりを何一つ残す事無く忽然と姿を消した。国を統括する総理が誘拐されたということで、警察はもちろん自衛隊も総動員されは大規模な捜索をおこなったのだが、目撃情報がまったくなく、なにひとつ手がかりをつかめずにいた。しかも犯行声明がインターネットの掲示板上に、ものすごい数だされたことにより、捜査はより難航した。発進元をたどって手当たり次第、強制捜査をおこなったが、すべてがいたずらで、逆に強引な捜査は移民たちの怒りを増幅させ、誘拐犯を称賛する声が広まった。しかし事件は突然終わりを迎える。消息をたった3日後、芝浦の倉庫で無事総理が発見されたのだ。外傷も特にないようで、意識もしっかりしていたので彼は病院にもいかず、事情聴取をうけた翌日から公務に復帰した。

総理の話によると、車に乗ったところから記憶がないらしく、気がついたら芝浦の倉庫にいたということだ。総理の話から推察するにおそらく犯人は車のなかに催眠ガスを充満させておいて、総理を乗せたままどこかへ走り去ったのだろう。しかし何の目的で誘拐したのかは一切不明で、犯人の手がかりなどはつかめぬまま、事件は迷宮入りの様相を呈してきていた。

そして、総理が内閣を召集し、臨時の閣僚会議を開いたとき、次の事件が起きた。閣僚会議は生中継されていたので、事件の一部始終はたくさんの人がテレビで目撃することとなる。
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by Kurt. | 2006-08-11 22:40 | エッセー(日記系) | Top |

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